新潟でんき基金(2020年度積立分)の使途報告① Mieさん(アーティスト/長岡市)

〜 自閉スペクトラム症を抱えながら地域をつなぐ創作活動 〜

地域循環型の電力「新潟でんき」を販売する新潟エナジー株式会社(本社:新潟県新潟市、代表:佐々木 拓海)は、新潟でんき基金(契約件数に応じて販売収益の一部から積立てを行っている独自基金)の2020年度積立分(2020年04月01日~2021年03月31日)の使途について取締役会にて協議を行い、複数選定いたしました。

今回はその一つである、長岡で自閉スペクトラム症という障害(以下、特性(障害))を抱えながら活動する「Mie」こと田中 翠恵(たなか みえ:以下、Mie)さんへデザイン依頼したことをご報告いたしますとともに、その理由を以下にてご紹介いたします。

【はじめての創作は3歳】

3歳のころ(当時お母さんが出産祝いでもらい)自宅にあったぬいぐるみから着想を得て描いたアザラシ。これが現在にまで至るMieさんの創作した「はじめての作品」だったそうです。

そこから動物を中心にしたキャラクターを描き続け、その愛くるしいキャラクターと世界観が地域にとどまらずに広く認知・評価されており、絵を見た人たち同士のコミュニケーションを円滑にする大切な役割を担っています。

誰に言われるでもなくはじめた創作活動。

いつしか、描くことが生活の一部となり、実際にキャンバスに描くことやデジタル仕様の作品も手掛けます。

小学校4年生の頃にプレゼントされたペンタブレットは今でも現役。物持ちがいいだけでなく、プレゼントされたそのペンタブレットだからこそ「Mie」であることを自覚するために使われているのかもしれません。

絵葉書サイズから、10号や20号、大きいものであれば80号サイズ(最大1,455mm×1,455mm)のキャンバスに描くこともあるMieさんの創作活動は、年齢を重ねて身体が大きくなるにつれて描けるサイズが大きくなるのと同時に、大きく広がってる最中です。

【”特性”への支援や配慮を希望することを伝えるうえでの壁】

Mieさん、5歳の時。

コミュニケーションの仕方に家族が疑問を抱いたことから専門機関を受診すると、自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD) という特性(障害)を抱えていることが判明。

家族の中で「コミュニケーションが課題」になることを実感することになります。ただ、これは「家族だけの問題」では済みません。

なぜなら、Mieさんが学区外の少人数制の小学校へ通うことになるのと同時に、地域の人たちと「かかわり」を持つ機会が得られなかったのです。

人は一人では生きていけないことは言うまでもありませんが、地域の中で生活をする以上、「かかわり」をもつことやお互いに認知をしあう関係を築くことは非常に重要です。

ましてや特性(障害)がある場合、周囲の人たちから少しだけ多くの支援が必要ですが、支援を受けるにも「どんな特性があるのか」を知ってもらい、「具体的に何を配慮し、どう支援すればいいのか」といった”かかわり方”を考えてもらう必要があります。

ですが、この時点で地域の人たちとの接点が多くはないMieさんは、地域の人たちに認知・把握してもらう術を模索するところからはじめなければならないのです。

地域に住む人たちと言っても、同じ時間や空間を共に生活するわけではありません。支援や配慮を希望したとしても伝え方には気を配る必要があります。配慮をしてもらう立場が「どうすれば配慮や支援をしてもらえるのか」配慮するわけです。

地域で暮らす人たちから身構えられてしまう状態では本当の意味で安心して暮らすことなどできません。ましてや、Mieさんが年齢を重ねた際に理解してくれる人、支援してくれる人がいない未来を想像することこそ、Mieさんと家族にとって最大の「解決しなければならない課題」でした。

【コミュニケーションの課題を創作から向き合う】

そこでMieさん家族がMieさんの特性に向き合いつつ、地域とのコミュニケーションの課題を解決するための術として選んだのが「描くこと」でした。

ここからMieさんの創作活動が本格化します。

独特のテイストで描かれる動物をモチーフにした作品は、少しずつ地域の人たちに認知され、ある病院の院長はMieさんが描いたアザラシを目にして「自分を描いてくれている」と絶賛され、その結果、病院内に絵を飾ることに。

また、地域で自治防災用の倉庫(コンテナ)に絵を描くことが企画された際には、その絵をMieさんが描くことに。それだけでなく、Mieさんが描いた絵に地域住民のみなさんが色を塗る「地域の協同作品」となりました。

ここでMieさんはただキャラクターを描くだけでなく、特に子どもたちが楽しく参加できるよう多くのキャラクターを描くような工夫を凝らします。

地域活動といえば「大人たちがやるもの」ですが、そこに子どもたちが積極的に参加できるような仕掛けとしてMieさんの絵が地域のコミュニケーションを円滑にするための中心的な役割を担うことになりました。

自身が描いた絵が地域の活動で活かされたこと、また、みんなで共同して制作すること中に参加できた時のことをMieさんに聞くと、一言「うれしかった」と答えてくれました。

【地域を超えて広がる”Mieキャラクターの輪”】

いま、Mieさんの絵は自身の住む地域の中に留まりません。

そうやって地域で評判を得たキャラクターたちはドンドンと活躍の範囲を広げ、長岡丘陵公園内で走るバスのラッピングデザインや、長岡市内に籍を置く事業者から、NPO、財団、社団などの各種法人が認知し、その絵を利活用されるに至り、いまでは長岡以外の地域にもMieキャラクターの輪が広がっています。

「特性を持っているから」と諦めるのではなく、「特性があるからこそ」生まれたキャラクターたちを描き、そのキャラクターたちがいることで地域の人たちに話題が生まれ、やがてそれは地域の人と人をつなぐ存在として立派に認知されることになりました。

そんな風にして自身が描くことで話題を提供し、地域や事業などのコミュニティ活動にも影響を与えられるMieさんのキャラクターは地域のためになる創作活動から生み出されていますし、それが地域にとって不可欠なものであることは明白です。

それを知ったことから、今回、新潟でんき基金2020年度積立分の使途先としてMieさんにタオルデザインを依頼し、新潟でんきの公式キャラクターであるハルオくんと朱鷺が田植えをする様子を描いていただきました。

Mieキャラクターとハルオくんがともに活動する様子を描いていただき、「地域」をテーマにしている私たちとしても、非常にうれしいデザインでしたし、これをもって更に新潟でんきが地域に根付くことのきっかけにしていきたいと思います。

Mieさん、どうもありがとうございました。

 

■ 自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)とは

多くの遺伝的な要因が複雑に関与して起こる生まれつきの脳機能障害で、生来的に抱えて生まれてくる人の割合は人口の1%に及んでいるといわれています。自閉スペクトラム症の人々は非常に多様な状態を示すため、信頼できる専門家のアドバイスをもとに状態を正しく理解し、個々のニーズに合った適切な療育・教育的支援につなげていく必要があります。

参考)e-ヘルスネット(厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト)

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-005.html

 

■新潟でんきについて

「新潟でんき」は当社が販売する地域電力ブランド名です。東北電力の供給する電力はそのままに電気料金を安価にすることを実現しています。大きな特徴は新潟県内の各地域で多様な業種の地域企業が株主として参画していることで、地域電力を「チーム新潟」として立ち上げ、継続的に取り組んでいる点にあります。

また、「新潟でんき」の契約件数に応じて販売収益から基金に積立て、地域の中で支援が必要な団体や個人の「地域でがんばる人たち」へ支援・寄付を行っています。

新潟でんき基金ページ https://niigatadenki.com/?page_id=440

 

■新潟エナジー株式会社について

「地元に根差し、地元を愛し、ともに喜び、ともに栄える」を理念に、持続的な社会貢献活動を実現することを目指す新電力事業の会社です。

【会社概要】

会社名:新潟エナジー株式会社(2017年10月設立)
所在地:951-8056 新潟市中央区花町2069 新潟花町ビル5F
代表者:佐々木 拓海
URL:https://www.niigatadenki.com/
事業内容:新電力事業(小売)

 

Twitter ハルオくん|#新潟でんき(@haruo_niigata
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LINE公式アカウント:新潟でんき

 

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